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クリエイターと私たちの距離をグッと縮めるメディア『でみたす!』。 そのメディアの看板ともなるメインビジュアルを、書籍デザインからMV制作まで、多岐に活動の幅を広げているイラストレーター・ぽんすけかいかいさんに描き下ろしていただきました! ぽんすけさんのこだわりが詰まったメインビジュアルを、構想段階から完成まで『でみたす!』編集部が追跡します! |
裏があるから表があり、影があるから光がある
──── 編集部全員が太鼓判を押す素敵なメインビジュアル!どうもありがとうございました。どのようにして生み出されたのか、制作過程を教えてください。
メディアのモチーフになっている「満月」を想起させる色味や、そこから派生して「クリエイターが作業画面の光に照らされている構図」、またクリエイターの生み出すアイディアや可能性を「波」で表してほしいなど、かなり具体的にリクエストをいただきました。
それらのリクエストをイラストに落とし込むにあたり、特に意識したのは、『でみたす!』のカテゴリにある「裏側で満たす」というカテゴリーです。
『でみたす!』には「推しで満たす」「創作で満たす」「裏側で満たす」という3つのカテゴリがありますが、「裏側で満たす」部分にフォーカスを当てることで、「まだ見ぬ才能を持ったクリエイターのために、創ることを諦めずにいられる希望になる」「新たな発見と感動を伝えるメディア」という『でみたす!』さんのメディアの在り方も可視化できそうでしたし、「クリエイターを照らし出す」こととも関連付けて考えられそうだったので、「照らし出す」「裏側」「希望感」の3つのキーワードを主軸に、制作を進めていきました。

構想段階
私たちは、いつだって未完成
──── 暗い作業部屋と光に照らされるクリエイターの姿、とても印象的でした。ぽんすけかいかいさんがこのイラストに込めた思いや、こだわりポイントを教えてください。
光に照らされる部分と影になっている部分それぞれに意味を込めています。
光に照らされる部分では、イラストは完成しており、『でみたす!』というメディアによって焦点があたり照らされることで、人物像や作品がくっきりと見えてくることを表現しています。
反対に影になっている部分では、あえてラフなどのタッチを残した未完成なものとして描写することで、「裏側でみたす」という部分を表現しています。
ラフのタッチを残し、このイラストも、「今まさにつくりあげている」瞬間を描くことで
- まだ見ぬ才能を持ったクリエイターの表現(表現として未完成=どんな人物・作品があるか分からないという期待感)
- 普段見えない裏側の思考や手数の多さ
- 思考錯誤してきたものがあったからこそ照らし出す人・ものがあるという可能性
というのを視覚的に表現できればと思いました。
そして何かを考え、目の前のものに一生懸命に取り組む力強さや、表現していくことで道が開けていく様子を液タブから放たれる光で表しています。
パッと目を引くのは明るく照らされている部分ですが、『でみたす!』はつくる過程や、クリエイターの「裏側」にフォーカスをあてているメディアなので、光に照らされていない部分を影の主役としています。
黙々と机に向かって何かに没頭した痕跡としてラフ感を残したり、密度を上げたりして、未完成であることを印象付ける表現を目指しました。
「つくる」を通じて誰かとつながり、光が差すような、前向きで、楽しい感覚を表現できていればうれしいです。

ラフ

ラフ + 色

加筆

完成版
想像力と世界が広がる表現を追求したい
──── 光を描くことで、影の存在感を引き出す……さすがのコンセプトです。ぜひ、ぽんすけさんがお仕事をするうえでモットーにしていることも教えてください。
お仕事としては、クライアントさんが1番に伝えたい目線を忘れないということでしょうか。
あくまで見ていただく方に届けるためにあるのでそこをつなぐ役割というか、自分ができる表現の中で、作り手側の想いを押し付けすぎず、少しでも誰かの心に残るような表現やお手伝いができればうれしいなと思っています。
画面作りの点では、前後のストーリーを感じられるものだったり、見えるもの全てを描き込まずに、少ない情報量でかたちがみえるというところを意識していますね。
リアリティや整合性を与えられたことで、時に画としての迫力が弱くなってしまうこともあるので、見せたいところをあえてデフォルメして印象的にみせたりしています。
また、イラストだからこそできる、脈略のない物同士の出会いが面白いと思っていて。
画面にちょっとした不思議さというのを持たせたくて、一見画面に関係なさそうなモチーフを遊びでいれてみることもありますね。
──── たしかに、ぽんすけさんのデザインにはポップでキュートな印象を受けます。独自のテイストはどのようにして生まれたのですか。
NINTENDO64、ドット絵など90年代~00年代頃のゲームグラフィックから影響を受けたように思います。
2Dならではの表現の自由度・迫力や、デジタルだけど、どこか温かみがある粗さや限られた色遣いが可愛らしく魅力的なのはもちろん、表現が簡略化されているからこそ、見る側に幅が生まれ感受できるものが多くなるのではないかと思っていて。
その世界に深く入り込めるグラフィック表現がとっても好きなんですよね。そういうローポリっぽさだったり、グラフィックデザインをずっと勉強していた部分も含め、今のテイストになっているのかなと思います。
寄り道すら力に変えられるのが、クリエイターの醍醐味
──── ぽんすけさんがこれから目指す姿や、目標はありますか。
ゲーム(特にインディーズゲーム)や映画が好きなのですが、何か自分の好きで影響を受けてきたコンテンツに今後携われるとうれしいな、と思います。
あとは書籍やデザインの現場に、立場が変わっても携われることがうれしいので、今後も頑張っていきたいですね。
目標としては、表現としての探究、というところになってくるのかなと思います。
特に音やことばの持つ曖昧さをうまく表現できるようにしたいですね。
伝えるためにビジュアルとしての分かりやすさは必要だけど、それを求めすぎると、イメージを持たないものだからこその本来持っているメッセージ性やそれらが内包する他の側面を削ぎ落とすことにもつながってしまうと思っていて。
伝わりづらい部分を可愛らしさ・ポップさといった普遍的なものに落とし込みつつ、どうすれば音やことばの曖昧で広がりのある部分をビジュアルとして昇華しながら、奥行きのある表現にできるのか……というのはずっと模索しています。
今回のメインビジュアルを制作させていただいた際のタッチも、ラフ感を残しつつイラストとして仕上げていくという自分としては新しい試みでしたし、今までの自分の絵柄を残しつつも、表現として面白いものを追求していきたいと思っているので、そこは継続して取り組んでいきたいですね。
──── 最後に『でみたす!』読者に向けて、メッセージをお願いします
企業やクリエイターさん側と、受け手の架け橋となったり、何気なく目に入ったイラストに感情を動かされたり。
お互いのことを知らなくても、つくることを通してつながりや思考、表現の幅が広がっていくことが、私の感じる創作活動の魅力だと思っています。
誰か一人にでも届くように、目の前のものに一生懸命に取り組むものがあることが創作の原動力だと思うので、今はSNSなど身近に想いを発信できる場がありますし、文章でも、絵でも、映像でも、今目の前にある課題、興味があることに粘り強く取り組んでいくことで何かしらの道が開けていくのではないでしょうか。
それがうまく実現できないとしても、やった手数や経験は無駄にはならないですし、
表現し続けていれば『でみたす!』のように可能性を見出してくれる人は必ずいます。
『でみたす!』では、みなさんと同じように悩んだり考えたりするクリエイターさんの裏側も取り上げていたりするので、何かを会得するのが遅くてうまくできなくても、寄り道をしてきたこともプラスに考えられたりして励まされることもありますし、これから更新されていく『でみたす!』の様々なコンテンツを楽しみながら、一緒にコツコツとつくることを続けていければ嬉しいです!