裏側で満たす

アイドルが“居る”質感を求めて——「FR@GMENTS of THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS」のプロデューサーが明かすデレマス×武蔵野×創造力

2025.03.24
  • 鈴木 樺恋

  • 虎硬

  • でみたす!編集部

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でみたす!編集部
本記事は、角川武蔵野ミュージアム 5F 武蔵野ギャラリーで開催されている『FR@GMENTS of THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS』の制作の裏側を追った、密着記事です。

FR@GMENTS of THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLSとは?

「FR@GMENTS of THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS」とは、今年で記念すべき20周年を迎える『アイドルマスターシリーズのなかでも、“デレマス”の愛称で親しまれる「アイドルマスター シンデレラガールズ」に焦点を当て、開催されるイラストレーター展です。

本展示では、「デレマス」のアイドル190名全員が、111名のイラストレーターによる新規描き起こしイラストで登場しました。

「アイドルマスター シンデレラガールズ」において、全アイドルを網羅した新規イラスト展は史上初の試みであり、スペシャルな展示会となっています。

 

イラストレーターたちが描き出すのは、武蔵野を舞台としたアイドルたちの“日常”。かつてデレマスのライブが行われたベルーナドームをはじめとし、この世界に生きる彼女たちのfragments(カケラ)を目撃できる、デレマスプロデューサーなら必見の展示内容です。

(※プロデューサー=『アイドルマスター』シリーズのファンの総称)

実際にfr@gmentsを訪れた方の声を、一部ですがご紹介いたします。

 

 

開催から約一ヶ月、グッズも一時売り切れとなるなど、現場は運営陣の想定を超えた盛況ぶり。会場は郊外(所沢)と、アクセス面を惜しむ声もありましたが、「それでも行く価値を感じる」などポジティブな意見が多くみられました。

「FR@GMENTS」はどのように生まれ、どのようにして愛されるイベントとなったのか。今回は、イベントの仕掛け人でありR11R代表である柿坂に、企画の裏側を解説してもらいました。

仕掛け人インタビュー、前代未聞!アイドル190名全員を描き起こし

————「FR@GMENTS」、連日大盛況ですね!そもそも、「FR@GMENTS」はどのような経緯で発足したプロジェクトだったのでしょうか?

「武蔵野をテーマにした展示がしたい」と、KADOKAWAさんから打診をいただいたことが発端です。

いくつか方向性を検討する中で、せっかくR11Rとして企画をプロデュースするからには、自信を持って「プロデュースした」と言える完成度の高い展示にしたいと思い、企画内容を再考していました。

そして、当社所属の経験豊富なプロデューサー柴崎にもジョインしてもらい、議論を重ねた末に「土地×イラストレーター×デレマス」の展示をつくることになったのです。

企画の要であるデレマスの力を最大限に引き出す為には、私たち自身もデレマスを120%愛して仕事をしたい。アイドルたちの綿密なリサーチから、企画は始動しました。

R11Rとしてアイドル190名描き起こしという前代未聞のプロジェクトに挑戦したのです。

フォロワー数は関係なし!イラストレーター111名の基準は”想いの強さ”

———— 参加クリエイター111名はどのような基準で選出されたのでしょう?

R11Rとパートナーシップを結んでいる1000人超のクリエイターさんに、直接アンケートを行いました。

選出基準は、ズバリ「デレマスへの愛」ですね。デレマスで好きなアイドルや、デレマスへの愛を、アンケートでたっぷりと記載してもらいました。

やっぱり、愛情こもったコンテンツを描いていただくと、クリエイターさんの筆のノリもすごく良いんです。基本の技量はパートナーシップを結んだ段階で担保されているので、より愛情深くアイドルを描いてくださる方にお願いしました。

絵柄が合わないなどの心配もあったのですが、実際に展示してみると、「新鮮なアイドルの姿が見れた」とお褒めの声がすごく多くて。原作に寄せ切らなくとも、愛があれば伝わるんだと実感できたことは、運営陣としても嬉しかったです。

キービジュアル担当の赤倉さんよりコメントが到着!

ニュージェネレーションズの3人が、狭山湖での撮影を楽しむひとときを描きました。服装はそれぞれの個性を活かしつつ、3人並んだときに自然な調和が生まれるよう意識しています。夕日のやわらかな光や、風を感じられるような空気感を大切にし、アイドルたちのリラックスした表情や親しみやすさが伝わるよう心がけました。

他にも58名の作家さんから熱いコメントが届いております!!!詳しくはこちら

【FR@GMENTS参加クリエイターからメッセージを頂きました】

アイドルが“居る”体験を創出する

———— 実際に訪れた観客からは、「まるでアイドルがそこにいるみたい」との意見も多かったです。リアルを追求するために、どのような取り組みをされたのでしょう?

武蔵野の風景と人物をリアルに表現したかったので、モデル3人を引き連れて、武蔵野の街中を8000枚以上撮影して回りました。詳細な指示書なしでは、111名ものクリエイターさんが同じクオリティの作品を提出するのは困難ですから。

また、アイドル同士の空気感も大事にしたかったので、モデルさんも友人関係の3人を起用しました。友人ならではの距離感や信頼感が、構図上から滲み出ていると思います。

———— 綿密な準備の末開催されたのですね。実際にお客様が入ってみて感じたことはありますか?

皆さん本当に良く見て頂いていると感動しました!

僕らが仕込んだものを考察し、イラストを読み込んでいると感じますし、デレマスに対する愛を感じました。

関係値をさりげなく匂わせたり、隠し要素として入れていたりした部分は、正直みなさんに汲み取ってもらえるか不安な部分ではありました。ですが、皆様本当によく気がついていただいて。仕掛け人として、本当に感無量といった気持ちです。

また、デレマスと一括りにしていても、様々なアイドルがいるなかで、全員がこうして皆様の目に触れられる機会をつくれたことは、すごく光栄なことだと感じました。

武蔵野の街に住む方からも、すごくポジティブな声が多くて。聖地巡礼する方のおかげで売り上げが上がったり、街が活気づいたという反応が、開催以降次々と寄せられました。

街もクリエイターも、デレマスも、皆が嬉しい企画が実現したことが何よりも嬉しいです。

唯一、グッズの完売状態が続いてしまったことは申し訳なく思っています。現場スタッフ共に急ピッチで情報を更新しておりますので、公式Xからぜひチェックいただければと思います。

———— 展示期間も残りわずかとなりましたが、これから来場される方のメッセージをお願いします。

FR@GMENTSには、会場でしか得られない栄養が絶対にあります。

もちろん、イラスト自体はネットや画集でも見ることができますが、実際にリアルで展示を体感してみると、「これは!」と思っていただける瞬間に出会えるはずです。

また、展示を見た後も武蔵野の街を巡ることで、一度でイラストを二度、三度楽しめる設計になっています。武蔵野に親しみがある人も、足を運んだことがない人も、新しい武蔵野やデレマスの一面に出会うきっかけとなれば嬉しいです。

入場料以上の価値は自信を持ってお約束します。運営陣一同、角川武蔵野ミュージアムでお待ちしております。

 


FR@GMENTS of THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS(フラグメンツ オブ アイドルマスター シンデレラガールズ)

https://tokorozawa-sakuratown.com/special/pom/

会場:角川武蔵野ミュージアム 5F 武蔵野ギャラリー

会期:2025年2月7日(金)~2025年3月30日(日)

開館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)

休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は開館)

入場料:前売券1,700円(税込)※オンライン販売

    当日券1,800円(税込)※窓口販売

※グッズ購入のみでの入場不可(チケット必須)


THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

鈴木 樺恋

『でみたす!』プロジェクトマネージャー・編集者。コンテンツの企画・製作を担当。画塾で絵を学んだ経験から、「描く側のニーズも満たすコンテンツづくり」を目指しています。

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