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【本音】今でも筋トレは楽しくない。怠け絵描きが2年続ける理由 〜創作と健康と筋肉〜

2025.06.07
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でみたす!編集部
「筋肉は裏切らない!」がパワーワードとして根付いて久しく、健康ブームが続いています。絵描き界隈でも筋トレの話題をする人も増え、「ガチ勢」の存在も以前より目立ってきました。本企画はそんなクリエイターと筋肉、そして健康について深掘りする記事となります。

あなたの筋肉、動いてる?

クリエイター界隈でも筋トレに励む方が増えているように感じます。私のタイムラインでも絵描き達の重量の報告や、進捗などが共有され、性別関わらず注目があつまっています。

本企画はそんなクリエイターと筋トレ、そして健康をテーマにして書いていきます。

私もマイペースながら週3でジムにいき、トレーニングをしています。重さを追求するタイプではないものの、自分に関して言えば、現在がこの20年で一番健康的だと思ってます。もちろん身体は老化はしてますが、定期的な運動によって睡眠やメンタル、行動にポジティブな効果が出てます

今でこそ筋トレで健康的な生活を送る私ですが、以前は深刻な不調を抱えていました。特に高校時代から約20年間、睡眠不足は慢性化。深夜2時、3時まで絵やゲームに没頭し、翌日は強烈な眠気と集中力不足に悩まされる日々でした。週末に寝だめをしても状況は改善せず、睡眠薬なども試したものの効果はありませんでした。

育児をきっかけに、生活改善を意識

健康への意識を持つようになったきっかけは、子供が生まれたことでした。調子が悪くなると、育児に大きな影響があるし、妻の負担も増えます。とはいえ、いきなり生活を改善するのは非常に難しく、最初の数年は試行錯誤が続きます。

この中で一番効果があったのが「高いお金を払ってトレーナーに教えてもらう」でした。朝7時という早い時間に契約し、忘れたらお金(1万円@1回)が無駄になり、さらにトレーナーさんにも迷惑がかかる、という足かせをつけました。

とにかく自分の性格はケチで見栄をはりたいので、何が何でも5時か6時には起き、3ヶ月ジムに通いました(それでも1〜2回は寝坊しました……)。

その後はある程度の習慣化ができてきたので、トレーナーの契約を解除して、24時間営業のジムに入会します。それからはマイペースに週3日通う生活になりました。

"非ガチ勢"ほどジムに行くべき

「ジム行ってます」っていうと「え……ガチ勢ですね?」というリアクションをよくもらうのですが、個人的には、めんどくさがりで非ガチ勢こそジムに行くべきだと思います。

タイトルにもありますが、私はジムが全然楽しくないです。重いものを持ち上げるのは疲れるし、辛いです。それでもとりあえずその場所に行くと、運動をやるしかなくなるし、ルーチンを作りやすいのです。ルーチン化の良い所は、楽しくなくてもできることです。楽しかろうがしんどかろうが、とりあえずやれば終わります。

タクシーに乗って目的地を告げると、無思考でもそこに連れていってくれますが、大げさにいえば、それと似たような体験だと思ってます。

私のトレーニングスタイルも、いわゆる「ガチ勢」とは異なります。筋肉量を増やすことよりも、健康維持や体型キープを重視しているので、比較的ライトな内容です。

直近の数字:ベンチプレス: 65kg、スクワット: 72kg ※体重64kg

タイムラインの絵描きには、ベンチプレスで80kg、中には100kg以上を挙げる猛者もいますが、私は自分のペースを大切にしています。

クリエイティブに役立つ筋トレノウハウ

一見すると全く異なる分野のように思えるイラスト制作と筋トレですが、いくつかの共通点があると感じています。

1. 「イメージ」と「筋肉への意識」が鍵

筋トレをしていると、「どの筋肉に負荷がかかっているのかを意識することが大事だ」とよく言われます。これは「マッスル・マインド・コネクション」とも呼ばれ、トレーニング効果を左右します。

これって、絵を描くプロセスにも通じると思いませんか? 私たちの多くは手を使って絵を描きますが、それは指<手<腕の筋肉をそれぞれ動かしているということです。自分が頭の中で描いているイメージと、それを具現化するための手の筋肉の動きをいかに正確に連動させるか。 この感覚を研ぎ澄ませることが、表現力を高める上で非常に重要だと感じています。少しこじつけに聞こえるかもしれませんが、この「イメージと身体操作の連携」という点で、筋トレとイラスト制作は深く繋がっていると私は考えてます。実際に初心者の方や子供の絵を見ると、まず線を描くのが難しいという課題も多くあると感じてます。

2. 全ての源泉、「体力」が向上する

そして何より、筋トレを続けると、基礎体力が格段に向上します。 クリエイティブな作業は、時に長時間の集中力と根気が必要です。体力がつくことで疲れにくくなり、集中力が持続しやすくなる。体幹を鍛えれば姿勢も良くなります。これは、長時間の作業、締め切り前の追い込みや、複雑なアイデアを練る際に、計り知れないほどのメリットをもたらしてくれます。

冒頭にも書いたように、睡眠も大幅に改善されると思います。私は朝トレ勢なので、昼や夕方にも眠気が来る事もありますが、20分程度の仮眠でも持ち直せるようになりました。

3. 美術解剖学の勉強にも!

トレーニングをしている人は、筋肉にも詳しいです。先述の「イメージと身体操作の連携」にもあるように、「あ〜〜いま上腕二頭筋に来ているな〜」と考えることで効率も上がるのです。言語的な情報を補完することで、イメージは強化されます。

ここ5年ほど流行を見せている、美術解剖学にも、より一層興味を持って臨むことができるはずです。解剖学を学ぶことで、画力も筋力も上がります。

運動はオタクと相性が良い

 

ここまで私の体験談や筋トレのメリットをお話ししてきましたが、実は「筋トレ」と、いわゆる「オタク気質」と言われるような探求心の強い方々とは、非常に相性が良いのではないかと個人的には感じています。

筋力トレーニングはロジカルで、全ての行動や結果には物質的な理由が存在します。「どうすれば効率的に筋肉がつくのか」「どんな食事が効果的か」「睡眠はどのように影響するのか」など、筋肉に関する理論や方法は膨大にあり、その多くが科学的に分析・研究されています。

そして何より、これらの理論や知識を、自分自身の体を使って実践し、その変化をダイレクトに感じられる「壮大な実験」のような楽しさがあります。このプロセスは、例えばイラストを描く際に、頭の中のイメージを試行錯誤しながら手を使って形にしていく感覚と、どこか通じるものがあるのではないでしょうか。

虎硬

絵を描いたり文を書いたり。

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