本記事は、「超絵師展」をより深く楽しむための作家コメント集(全9回)のうちの1記事です。
他の作家のコメントもあわせてご覧いただくことで、展示の見え方がより一層広がります。
以下より他の記事もご覧いただけます。
超絵師展を100倍楽しむための「クリエイターズ・コメント」集
『超絵師展2026 ~IFの楽曲世界展~』では、ボカロ楽曲の世界をクリエイターそれぞれの感性で再構築した、唯一無二の作品が集結しました。本記事では、アンケートに回答いただいた84名の参加クリエイターの声を、楽曲別に余すことなくお届けします。
原曲やMVへの深い敬意、制作過程でのこだわり、そしてボカロ文化への愛――。ここで語られる言葉は、作品を読み解くための大切な鍵となります。
さらに、会場で販売される図録には、クリエイターたちが制作の指針とした「オーダーシート」の内容を特別に収録。記事内容で語られたコメントと図録のオーダーシートを照らし合わせて見ると、超絵師展がもっと楽しくなる新しい発見があるかも……!
東京テディベア
佐藤さと

X: @st31010
オーダーシートをご覧になった際のご感想
自分の解釈で描くというオーダー内容で自由度が高かったため、楽曲に出会った当時の自分の気持ちがたくさん蘇ってきて心が躍りました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
楽曲名と承認欲求、やり場のない寂しさを表現した素晴らしいイラストとMVで、改めて見返してもキャラクターの表情の解釈が一致してとても嬉しかったです。
ご本家様のイラストとMV、今でもずっと大好きです。
イラストの見どころ・こだわったポイント
部屋の隅々に散らばった“存在証明の欠片”をぜひ見ていただきたいです。
担当した楽曲に対する想い
幼いころよく聴いており、支えになってくれていた楽曲でした。
当時の自分の気持ちに立ち返って制作することができ、とてもノスタルジックな気持ちになりました。あの頃この曲に出会って何度も聴いていた自分に教えてあげたいです
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
ボーカロイドは音楽ジャンルに縛られず、個々の感性・表現で自由な楽曲制作ができるのが強みだなと考えております。同じ初音ミクが歌っているのに、音楽性はもちろん声質や歌い方すら全く違うものになる。素晴らしい芸術…
これからもたくさんのアーティスト様による各人各様な楽曲が生まれていくのが楽しみです!
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
ジャケットやMVイラストの案件をお任せいただけることがあれば、是非とも携わってみたいです!
Nxhqt

X: @Nxhqt
オーダーシートをご覧になった際のご感想
オリジナルのイラストを唯一無二の解答と捉えていた私にとって、このオーダーシートから感じられた「表現の自由」は、描き手を尊重すると同時に、ある種で試練のようにも感じられました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
オリジナルのイラストが、すべてを吐き出し、灰になった後の「燃え尽きた少年」だとしたら、私が描いたIFは、今まさに赤く燃え上がる「力強く抗う少女」です。
ラストに至る直前の最も激しい抵抗の瞬間を切り取りました。
イラストの見どころ・こだわったポイント
最もこだわったのは、視線の鋭さです。
ついに感情のブレーキが壊れてしまったような、自暴自棄な表情。その一瞬を切り取ることで、楽曲のサビに滲む剥き出しの焦燥感を表現しました。
担当した楽曲に対する想い
「東京テディベア」は、私の青春そのものです。
思春期特有の将来への不安や、「自分は何なのか」「何者かにならなくては」という強迫観念に近い焦燥を常に代弁し続けてくれました。
曲を聞きながら何度もこの曲のイラストを描いたことは今でも良い思い出です。
今回こうして関わらせていただくことが出来て、非常に光栄です。ありがとうございます!
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
私にとってボカロは、今日まで聴かない日は一日としてなかった、生活のすべてであり、呼吸そのものと言える存在です。
ボカロ文化が切り拓く無限の可能性に魅せられた一人として、この愛すべき文化が続いていくことを心から願っています。
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
合成音声が紡ぐ文化が大好きだからこそ、私にしかできない表現でその世界に関われたら良いなと思っています。既存の枠組みに囚われず、音楽と動画とイラストが火花を散らすような、刺激的な表現の場でこれからも関わり続けていきたいです。
サイハテ
くぼまなみ

オーダーシートをご覧になった際のご感想
モチーフの指定が細かくあるわけではなかったので、この曲のテーマを表現する方法は何通りもあるなぁとワクワクしました!とにかくたくさんラフやワードを書き出して、その中から絞り込んで方向性を考えていきました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
私は歌詞中にも出てくる「青天の空」の青を印象づけるような配色にしましたが、MVではモノクロの中の艶やかな色彩がとても印象的です。MVに流れる川が描かれており、「あなたの煙は雲となり雨になるよ」という歌詞から、同じく流れて海へ出る川を連想して描きました。
イラストの見どころ・こだわったポイント
重いテーマを明るく歌った曲に合わせて、別れを匂わせつつ明るさ・優しさを感じるイラストに仕上げました。
煙のように空へ舞い上がった花は、雨のようにまた川へ舞い落ちています。その川は巡る命を現したものでもあり、向こう側へ渡ってしまう前の最後のお別れの場所でもあります。
花はシオンをモデルに描いたので、花言葉もぜひ調べてみてください。
担当した楽曲に対する想い
10代の頃に出会い、何度も何度も聴いた曲だったので、今回イラストを描くことができて本当に嬉しく思っています!
最初はポップな曲とMVがいいなと思って聴いていたのが、テーマを知るとガラッと印象が変わって、当時衝撃を受けたのを今でも覚えています…。
別れを経験した今聴くと、またこの曲への想いがうんと深まりました。
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
10代の頃に自分が熱中していたボカロが、今もまだこうして愛され続けていることが本当にすごいなと思います。仕事でこどもたちと話す機会が多かったのですが、みんなそれぞれに好きなボカロ曲やMVを語ってくれます。将来ボカロPになりたい、なんていう子もいて、夢があるなぁと嬉しくなります!
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
曲や物語から想像してイラストを描くことが好きなので、MVのお仕事があればぜひ関わってみたいなと思います。
なりはやお

X: @narihayao
オーダーシートをご覧になった際のご感想
「誰もが経験することになる『別離』」というテーマから、死別を歌った曲であると解釈しました。ただし、それを単に真正面から描くのではなく、モチーフや情景描写を通して表現することを求められていると感じました。そこで、曲の流れに沿ったストーリーを組み立て、あえて余白や含みを残すような画面作りを意識しました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
故人との別れを歌った曲という点では同じ解釈ですが、別れを告げる相手の捉え方に違いを感じました。元イラストは相手を絞らないフラットで普遍的なイラストに思えますが、自身のイラストでは具体的な相手を想定しています。重たい歌詞をポップな曲調にのせて歌うちぐはぐさがサイハテの魅力の一つであると考えているのですが、元イラストのモノクロ基調で淡々とした世界観はそれにまさにマッチしていて、異なる表現を作り上げるために、かなり頭を悩ませました…。
イラストの見どころ・こだわったポイント
抜けるような空、果てのない草原など、歌詞の要素を拾い上げることで元イラストとは違ったアプローチを試みました。曲を聴いて浮かんだイメージを直感的に配置することで、自分なりにサイハテの世界観を表現できたのではないかと思います。ちなみに制作には透明水彩・アクリル水彩・色鉛筆などのアナログ画材を用い、仕上げの段階でデジタルソフトで色味調整・加筆などの編集を加えています。アナログとデジタルを組み合わせた質感を楽しんでいただければ幸いです。
担当した楽曲に対する想い
故人を偲ぶ曲は悲しみに暮れるような曲調になりがちですが、サイハテにはどこか朗らかな印象があります。けれど、その朗らかさの奥に悲しみが息づいていて…、不思議な余韻が心に残るお気に入りの一曲です。今回サイハテを担当できて大変光栄でした。
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
楽曲、MV、イラスト、ダンス、カバーなど、さまざまなクリエイターが連鎖的に作品を生み出す、文化としての広がりが魅力的だと思います。今回のIFの楽曲世界展はその連鎖の最たる例であり、その一端を担えたことが本当に嬉しいです。教室の隅で友達とこそこそニコニコ動画を観て、「888888」とか言って、授業中にリンレンの落書きをしていた自分に教えてやりたいです。おい!お前の絵ニコニコ超会議で展示されてるぞ!
TEL

X:@TL2_358
オーダーシートをご覧になった際のご感想
実際のボカロのMVイラストはこういう手順でできていくんだ…という裏側を知れたかのような感動がありました。あとはひたすら緊張でした。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
解釈が合う合わない以前に、自分では絶対に思いつけないとただただ思いました…。どうしても歌詞から情景を想像してしまうのですが、歌詞を直接的に表現しすぎていない本家MVが最高にスタイリッシュでかっこいいです。
イラストの見どころ・こだわったポイント
線数が少ない分、全体のバランスに特に気を使いました。ボカロは昔から身近な存在ですが、ミクちゃんを描いたのは初めてでした。自分の絵柄に落とし込めたと思うので、そこも見ていただければ幸いです。
担当した楽曲に対する想い
制作するにあたって繰り返し楽曲を聴かせていただいたのですが、聴いていると昔お別れした人が思い出されました。大切にしたい過去の記憶に色を付けてくれるような優しい楽曲だと思います。
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
懐かしさも褪せず、それでいて常に進化し続ける楽しいコンテンツだと思います。人類が滅亡しても歌い続けてほしい!
ロミオとシンデレラ
大島悠

オーダーシートをご覧になった際のご感想
楽曲のタイトルが童話から連想しやすかったです。童話のストーリーにひっぱられすぎないように等身大の女の子を描きたいなと思いました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
リンゴが絵の中に描かれていて、禁断の果実なのかなと深読みしてしまいました。逆に、タイトルから連想するプリンセスストーリーとは雰囲気が違い、ドレスを着てないありのままの等身大の女の子が描かれているのは解釈が同じだなと思いました。
イラストの見どころ・こだわったポイント
すっぴんで等身大の女の子を、可愛さと大人っぽさの狭間で揺れる表情として描きました。月明かりに照らされた姿から、どちらの魅力も感じていただけたら嬉しいです。少女から大人の女性になりたいその気持ちを表現しています。
担当した楽曲に対する想い
この楽曲をきっかけにボカロの世界に引き込まれた思い入れのある一曲です。ひたむきな恋の感情や恋愛への憧れが当時の自分に深く刺さり、何度も聴いていました。今こうして絵を担当できたことを、あの頃の自分に伝えたいです。素敵な機会をありがとうございます!
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
私がボカロにハマったのは、大学受験を控えていた頃でした。今の生活やこれからのことに悩んでいた時期で、リアルな歌詞に何度も背中を押してもらったのを覚えています。
ただの音楽というよりも、それぞれの気持ちに寄り添ってくれる存在だと思っています。曲ごとに違う物語があって、共感したり、救われたり、気持ちを代弁してもらっているように感じることも多かったです。
あと、キャラクターの存在がとても魅力的です!同じ楽曲でも、描く人によって表情や雰囲気、解釈が変わるのが面白くてつい見比べてしまうくらい好きでした。
音楽とイラストが一緒になって広がっていくこのカルチャーに、これからも関わっていけたら嬉しいです。
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
やはり、音楽とイラストが一緒に広がるこのカルチャーが魅力的に感じています!
イラストが動いて、音が乗って・・生きてるみたいな感じがワクワクしてたまりません。
MVで音と一緒にイラストに命を吹き込むようなお仕事をしてみたいです。
ロキ
うずた

X: @u_zuta
オーダーシートをご覧になった際のご感想
毒っ気のある歌詞での「かっこいいとこ見せてよ」と煽るようなイメージとの事でしたので、まさに自分がロキを聴いていた時のような気分を表現できたらと思いました。
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
元々のイラストがすごい素敵で、イラストから入り曲を聴くようになったので、自分の好きなサブカルROCKを表現したような大好きなイラストです。
イラストの見どころ・こだわったポイント
ROCK×サブカルをテーマに、毒味があるけど殻を破って曝け出すようなエネルギッシュなカラーとイメージで描きました。
担当した楽曲に対する想い
かっこいいロックサウンドと、煽ってくる歌詞は昔自分が好きだったバンドや心情を思い出して、よく自分を奮い立たせる時に聴いてました。そんなロキのイラストを描かせていただきすごく嬉しい思いでいっぱいです。
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
ボカロは自分がさまざまな音楽を聴き始めた時代に、違うかたちで新しい音楽を聴かせてくれました。MVだったり、キャラクターやゲームさまざまなコンテンツでワクワクさせてもらってきました。昔の自分が聴いていた曲を、今の自分が聴いて、あの時の心情を思い出させてくれる色褪せない存在です。
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
また、ご縁がありましたらどんな形でも良いのでイラストを描かせていただけたらと思います。
犬飼い

X: @tai_inukai
オーダーシートをご覧になった際のご感想
とにかくワクワクしました!
担当したMVの元イラストを改めてご覧になって、ご自身の解釈と異なっていた点や、反対に「解釈が一致した」と感じた点がございましたらお聞かせください。
毒味の部分の表現の解釈が一致していると感じました。
イラストの見どころ・こだわったポイント
いっちょかっこいいところ見せてよ!と思い切ったような感情を表現出来るようにこだわりました。
担当した楽曲に対する想い
何度も繰り返し聴いていた曲でしたが、改めて歌詞を目で追いながら曲を聞いたり、自分なりの解釈を考えたりしてさらに思い入れのある曲となりました。
ご自身の「ボカロ愛」や、ボカロカルチャーに対する熱い思いを存分にお語りください。
学生時代、動画投稿サイトのボカロ曲ランキングを毎日のようにチェックしていました。
あれから月日は経ちますが、今も尚広がっていくボカロカルチャーの今後をとても楽しみにしています。
今後、ボカロ文化や関連コンテンツとどのように関わっていきたいとお考えですか?
ボカロオリジナル曲のイラストのお仕事をしてみたいです。
今後そういったお仕事をいただけるよう表現の幅を広げていきたいと思っています!
開催概要:超絵師展 ~IFの楽曲世界展~
ボカロ楽曲を140名の絵師が再解釈する、描き下ろしイラストの祭典。 オリジナル楽曲へのリスペクトと、クリエイター独自の視点が交錯する「もしも(IF)」の世界を、ぜひ会場で体感してください。
- イベント名 超絵師展 ~IFの楽曲世界展~ Supported by セゾンテクノロジー
- 開催日時
- 2026年4月25日(土) 10:00〜18:00(最終入場 17:30)
- 2026年4月26日(日) 10:00〜17:00(最終入場 16:30)
- 会場 幕張メッセ 国際展示場 1〜11ホール (「ニコニコ超会議2026」リアル会場内 超絵師展ブース)
- 公式サイト https://chokaigi.jp/2026/plan/eshiten/
- 公式ハッシュタグ #超絵師展 #ニコニコ超会議2026